慢性筋肉疲労に関する考察

[触手療法研究会]福増一切照先生が考案して開発した触手療法について考えるブログです

9 凝りのために膝痛を訴える場合 -1-

膝痛の原因は色いろあると思いますが、ここでは足部の筋肉疲労が原因のものを取り上げてみたいと思います。

足部の筋肉疲労が原因の膝痛が多いと、福増先生から聞いています。

まず初めに足部の疲労を診るとよいと思います。

例えば、足の使いすぎになって筋肉疲労があって、その筋肉疲労が慢性化したとします。

足部の筋肉に疲れがあると、足首の関節に異常が起こります。

足部に痛みなどがある人は、足底が縮んでいることが多いと思います。

元々、足部の外果は、内果に比べて少し遠位にあって、少し後方にあります。

その位置から見て、足関節のところで内くるぶし(脛骨の)が前へ、外くるぶし(腓骨の)が後ろへいく形に捻じれて、ずれたまま固定したようになっているのを見かけます。

これを福増先生は「足首の捻じれ」という言い方をしています。

福増先生の個人的な表現か、違うかは知りません。捻じれているという異常が見られることを指しています。

関節のところの骨の捻じれという概念は、触手療法では、しばしば使います。

図を使って説明します。見辛いかもしれませんが、何とか使えるかと思います。

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図1は右の足首のところを外側から見た図です。

足首のあたりを構成する骨は、足底から、踵骨(しょうこつ)、距骨(きょこつ)、腓骨(ひこつ)、脛骨(けいこつ)があります。

その他の骨の名前は省きます。

ここで先ほどからから使っている言葉で、「足首の捻じれ」について取り上げます。福増先生がしょっちゅう言われていた表現の一つです。

ここでは、足首がなぜ捻じれたようになっているか、を説明するのは難しいですが、足首のところの関節のあたりがどういうふうになっていると思われるか、について考えてみたいと思います。

図1の「外果の周りで踵骨に付けた印(影)の部分を緩める」の部分は、福増先生が「ここを緩める」といいながら指で示した箇所です。

また、図1では右足首を外側から見た骨に、足首を構成する骨と骨を結びつける靱帯で、外側側副靱帯を書き加えてあります。

外側側副靱帯には、三つの靱帯があり、それぞれに名前があり、それぞれが独立した靱帯です。

 外側側副靱帯

  前距腓靱帯:腓骨の外果(外くるぶし)の前縁から、距骨頸の外側部に付きます。

  後距腓靱帯:腓骨の外果窩の底から、距骨後突起の外側結節に付きます。

  踵腓靱帯:外果の下縁から、分散して踵骨の外側面に付きます。

靱帯は、筋肉と違って収縮しているか弛緩しているかの、どちらかしかないそうです。

これらの靱帯を指で柔らかく触って緩めます。

これらの靱帯を緩めることと、福増先生が「ここを緩める」といった箇所を緩めればよいと思います。

ただ、福増先生の言う「ここを緩める」の内容は、図1に影を印として付けてある部分と、外側側副靱帯の両方が含まれていたかもしれません。

「ここ」といってもその箇所には幅がありますから、今になって繰り返しやってみて、このような内容になるのではないかな、という私の考えです。

8 なぜか足は外側から緩めるとよく緩む

足を緩めるときの順番について、「足は外側から緩めるとよく緩む」と言われていたことがありました。

福増先生は「なぜか」という言葉をつけて「なぜか足は外側から緩めるとよく緩む」と言われました。

「なぜか」の理由は、自分で考えろよ、ということでしょう。

やってみると、足は外側から緩めるとよく緩みます。

福増先生の操法は、その手元を見て自分の目に焼き付けてありますが二十年も経ってしまえば古い記憶です。それも頼りにしながら考えていきたいと思います。

7 手技については誰に尋ねることも出来ないから自分の解釈で行う

施術は、脚などの、どこそこが痛いとか困っているとか、そういった訴えがあって、ではどうしたらいい?と考えていくことだと思います。

ここではモデルになる人もいないし、私の技術もそんなに高くもないので、過去に福増先生が取り上げた例から解釈しようと思います。

説明には、私が自分で解釈するために取った考えを説明として使います。

ということは、自分で知っている事柄の範囲内で考えることになりますから、間違いがあるときには気づきにくく、世の中で常識のようになっている事柄も自分にとって新しい内容となったりします。

それを確かめるだけの知識も技術もないかもしれません。

また、ブログで伝えることができる内容は、触手療法の内容からすると、少し触れるだけに終わると思います。

それでもこれを、触手療法の入り口になったら良いと思って進めていきたいと思います。

6 ここで扱う触手療法は

特に注釈を入れない限り福増一切照先生が考案して開発した触手療法を指すものとします。

書いていくうちに間違いは必ず含まれることと思います。

そして、それは私の解釈の間違いであったり、私の理解の及ばない内容なども、あると思います。

それから、ブログ上で文章と図を使って触手療法を説明したいと思っていますが、どれだけ伝わるものか分かりません。結果、わずかに雰囲気のようなものが伝わるくらいになってしまうかもしれません。  

また、福増先生は「家庭で行う触手療法は母親が子供の不安を取り除こうと、我が子の身体に柔らかく手を当てたりする、素人の人が行う触手療法は手を当てているだけのものもあります」とも発言されています。

これについては詳しく知りません。でもこれは、触手療法の本質的なことかもしれませんね。

5 福増一切照先生の発言について

弟子の立場からできることの一つ

ここで書いていく触手療法は、京都市内で行われた触手療法の勉強会などを通して広く教えられたことや、福増先生から私たち弟子に残し託された触手療法の技術を世の中に伝えたいと思うものです。

1992年12月の勉強会で「この触手療法の考え方や技術を生きているうちにできるだけ多くの人に伝授することを自分の使命と思う。ひいては、この考え方が広く個々の家庭にまで浸透していくことを願う」という福増先生の発言に従うものです。

4 福増一切照(廣幸)先生が提案した触手療法

福増先生はお医者さんとして、また自然科学者として活躍され、東洋医学的な考え方に希望を持って、ご自分が提案した治療法を「触手療法」と名づけて、慢性筋肉(系)疲労を取り除くことで病を癒すという新しい治療を担いました。

また触手療法という名称は、福増先生とその友人により、世の中でまだ使われてない名称と思って命名されました。

福増先生の発言で[元からある触手療法は、身体から離してやるので、手は身体に触れないから。やり方が違うから混ざったりしない」と聞いています。

それから、福増先生が稀に「野口晴哉先生はわたしの心の師」とおっしゃったことも、今も強く記憶に残っています。

3 興味を持ってくれる人、読んでみてください

このブログで扱うのは、あん摩マッサージ指圧師が行う範囲の施術に関する内容となります。

福増先生は医師であり、科学者であり、また出家した僧侶の立場から、多くの人にこの触手療法を広めようと、実践、伝承をされていました。

私は宗教的な立場はもっていません。触手療法とはどんなものか伝わったら良いと思います。

よく間違われるのですが、有名な触手療法が古くからあると聞きます。

福増先生が言われたことは、元からある触手療法とは、やり方が違うから混ざらないと聞いています。

指圧に近い手技療法です。興味を持って考えてみたいと思ったら読んでみてください。

2 ブログで書く内容は

福増一切照先生が考案して開発した触手療法が行うことは、疲労した筋肉を緩めることです。

文章での表現が主となります。

手技の表現は少しでも具体的にしていきたいと思っています。

しかし、説明をしようとし文章で説明ができる内容は、せいぜい触手療法を考えてみるためのとっかかりになるか、まず、始めに考えてやってみるくらいなことに留まる内容になるかと思います。

筋肉を緩める方法を表現することは極めて難しいと思います。触手療法では患者さんの筋肉を緩めて、自然呼吸が出るところまでを目標とします。

1 慢性筋肉疲労とは何か

-考え方一般に筋肉の疲労といわれるものは、日々の睡眠等で回復するものであると思います。休息して回復するのならよいのですが、なかなか回復してくれない長期の筋肉の疲労があります。

疲労した筋肉を力を抜いて動かしてみて、柔らかく変化する部分は健全な筋肉です。

しかし、動かしても、角度を変えてみても硬直したまま残る部分があります。そこが慢性筋肉疲労の状態を呈している部分です。

慢性筋肉疲労に陥っている筋肉は、硬直して縮んだままになっていて伸びません。

硬直した筋肉が再び健全な筋肉となるためには、縮んだり伸びたりできる筋肉運動ができなければなりません。

慢性筋肉疲労に陥った筋肉は、すでに硬直して縮んでいますから、そこからもう一段縮んでから伸びることができないので、緩めて健全な筋肉として使えるようにするために、触手療法を行うとよいと思うものです。

こういった慢性筋肉疲労が、身体にさまざまな不調を引き起こすものと、触手療法では考えています。