30 孫悟空の輪っかと頭痛、でも、孫悟空の輪っか、て、どこ?
「西遊記」というお話にでてくる孫悟空というキャラクターがあります。
そのキャラクターの頭にはめられている輪っかは、悪いことをすると頭を締め付けて痛みを起こします。
福増先生が皆に「孫悟空の輪っか、描けるか?」と言われたことがありました。
「孫悟空の頭を締めつける輪っかの形のところにコリがあり、帯状に頭を締めつけるような頭痛が起こる」というのです。
頭痛が起こるのは「孫悟空の輪っか」のところだけではありませんが、その輪っかが、はめられているあたりの筋肉にコリがあって、頭痛が起こるということだと思います。
私なりに、このブログのページの中で、その孫悟空の輪っかの場所を突き止めようとしてみます。
1 孫悟空の輪っかの場所
2 緩めていく箇所
後頭骨の下のほうに着く筋肉について、三箇所を挙げます。
① 一箇所目の線[30-2図]
② 二箇所目の線[30-3図]
③ 三箇所目の線[30-4図]
④ 耳の後ろから耳の上にかけて[30-5図]
⑤ 前額部にあるコリ
3 付け加え
後耳介筋と鼻の横のところについて[30-6図]
その他
1 孫悟空の輪っかの場所
福増先生がコリの場所を確認した「孫悟空の輪っか」の位置の説明は、「耳の上側にあるスジはそのまま鉢巻きになるのではなくて、後ろのほうは下へ降りる。後頭部のほうへ下りて、また持ち上がって反対の耳の上のほうへくる」です。
これをもとにして見ていきたいと思います。
下図は、帯状のコリがあると思われるところです。
[30-1図]孫悟空の輪っかの場所のだいたいの場所
2 緩めていく箇所(順番は示していません)
コリのある「孫悟空の輪っか」の場所を触って緩めていけばよいと思います。
説明のしやすいところから、説明します。
後頭骨の下のほうにある帯状になっているコリを緩めていきます。
後頭骨の下のほうには、ほとんど同じような近い場所に、三箇所の、区別して捉えることができる筋肉があります。
この三箇所は、それぞれが別の部位につく筋肉の話です。
後頭骨の下のほうに着く筋肉について、私個人が部位を示しやすくするために、三箇所をそれぞれ一箇所目の線、二箇所目の線、三箇所目の線として挙げます。
①一箇所目の線は、後頭骨の下のほうで、小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋が着くところです。
[30-2図]
上の[30-2図]の小後頭直筋の停止部、大後頭直近の停止部、上頭斜筋の停止部を筋の位置を確認すると、後頭骨の下のほうの、ずいぶん下のほうです。
② 二箇所目の線は、僧帽筋と頭半棘筋がつくところです。
[30-3図]
③ 三箇所目の線は、項横筋と項耳筋がつくところです。
「30-4図]
④ 耳の後ろから耳の上にかけての、帯状になっているコリを緩めていきます。
[30-5図]
⑤ 前額部にある板のようにピッと張ったコリのところを緩めます。
[28 目の周りの筋肉疲労が原因で疲れ目、瞼が重い場合は前額にある筋肉疲労を緩める」を見てください。
3 付け加え
今回は、「孫悟空の輪っか」のところに筋肉が帯状に凝っていることを書きました。
緩めていくときは、この帯状のコリの部分を緩めればよいです。
ただ、その帯状のコリのところだけを緩めても、いま緩めたと思ったのに、またすぐにコリが戻っていることが、繰り返し起こると思います。
そういうときは、後頭骨や側頭骨のところに筋肉の骨化したコリがあると思いますから、そういったコリを見つけて緩めます。
すると、緩めたと思ったのに再びコリができてしまう繰り返しが減ると思います。
「29 前額の筋肉を緩めると頭頂筋や後頭の筋肉まで緩んでくる」を見てください。
・耳の後ろにそって緩めていきます。
「孫悟空の輪っか」から外れますが、耳の後ろにそって触っていき、その部分を緩めていきます。
このときに、後耳介筋も緩めます。
・後耳介筋について
後耳介筋は、耳の後ろのところにありますから、その部分に指を添えて二、三秒待つと緩んできます。
前耳介筋と上耳介筋も、耳に着くところに圧をかけると緩んでいきやすいです。
・後耳介筋と鼻の横のところについて
後耳介筋を緩めても、耳の前のところが緩んでこないときには、鼻の横のところを緩めると耳の前のところは緩んでくるそうです。
その部位は、頬骨と上顎骨の頬骨上顎縫合のあたりから、鼻翼の横のあたりにかけてだと思います。
こんな部位に影響があるのかは、福増先生は、なぜだかわからないと言われていました。
[30-6図]
・後耳介筋について
「後耳介筋」は、筋肉の解剖学の本によって、耳の後ろのところにある短い筋肉のように示してあったり、乳様突起よりもわずかに正中に近いあたりまであるように描かれていたりと、いろいろのようです。
・後耳介筋について
福増先生が、二十六年位前に後耳介筋について、ご自分の考えを言われたことがあります。
それは、後耳介筋を緩めていくときの筋肉の反応を見ると「筋肉としては見えないけれど、後耳介筋の筋線維は、ほとんど後ろのほうまで伸びているのではないかと考える」という意味のことを言われました。
後耳介筋を緩めるときには、外後頭隆起の近くまで伸びていると思っておくことにしていました。
・後耳介筋は、解剖学の本には耳の後ろのところにあるように書いてあるけれど、後耳介筋の筋線維は、ほとんど後ろのほうまであるようだ、と言われていたことについて
この部分にある筋肉のことが、「船戸和弥のホームページ」という解剖学のページのなかで示されています。
それは、「項横筋」と「項耳筋」という名前の筋肉です。
・「項横筋」と「項耳筋」について
福増先生が、後耳介筋はほとんど後ろのほうまであるようだ、と言われていた箇所に「項横筋」と「項耳筋」が示してあります。
「船戸和弥のホームページ」の中で、「項横筋は、僧帽筋と胸鎖乳突筋の腱の間に張る筋でまれに存在する。後耳介筋束と考えられる」とあります。
・「項横筋」と「項耳筋」について
「船戸和弥のホームページ」の解剖学のページを下にリンクしました。
「項横筋」と「後耳筋」が示してある頁も、その下にリンクしました。
後頭骨の下縁のところはわかりにくく、また、一箇所に絞ることはできなかったので、近いあたりの三箇所を書きました。
これらはみなが一緒になって、帯状のコリがあると捉えるのかもしれません。
分かりませんから、探ってみてください。