22 耳介筋を緩める
顎関節周囲の筋肉の硬直を取ると、
顎関節が楽に動くようになったりします。
緩める筋肉は、咀嚼筋といわれる筋肉です。
顎関節の動きが悪い人の場合は、
これらの筋肉が硬直してしまっていることが多いです。
咀嚼筋はいくつかありますが、ここでは耳介筋を見ます。
頭部の操法で、福増先生はこの筋肉について、
「耳介筋を緩めることを大事にしている」とのことでしたから、
とくに注目したいと思っています。
[図18耳介筋を緩める]
耳介筋は、前耳介筋、上耳介筋、後耳介筋があります。
その三つの筋肉を緩めていきます。
耳介筋は耳を中心とした位置にあります。
耳介筋は、耳のあたりの付着部からそれぞれ、前方、上方、後方へ伸びています。
筋肉の付着部から緩めると、よく緩んでいきます。
耳介筋の耳のところの付着部は、
図の耳介に、点々で印をつけた部分です。
その箇所を触って圧を加えて、それぞれの耳介筋を緩めます。
触って緩めるときの圧力は
押さえるというほどの、大きな圧はいりません。
緩めているときは、痛みなど起こりません。
意外に気持ちが良いと思うか、または、何も感じないくらいです。
私が操法を受けたときは、「何してるんだろう?」というのが、
当時、私個人の感想でした。
参考図として入れた[図18耳介筋を緩める]の
前耳介筋①や、上耳介筋②の耳のところの付着部は、
耳の穴のすぐの近いところにあります。
後耳介筋③は、耳介の後ろ側に見えますので
そこのところを触って緩めていきます。
後耳介筋について福増先生は、
「後耳介筋は、耳の後ろの付け根のところにあるので、
耳の後ろから触るよりも、中から触った方が便利なぐらい」
と、言われていましたので、
耳介の中から触って緩める方法も良いと思います。
後耳介筋は、耳介を前方にやると、
耳の後ろにピッと見えるスジがそれです。
後耳介筋を緩めるときは、
耳介を前へ起こすようにすると、
耳の後ろの付け根のところに、後耳介筋がスジになって見えますから
それを、まえ方向に押しやるようにして、
少しの圧をかけてやると、緩んできます。
後耳介筋は、耳の後ろの、すぐのところは見えますが、
福増先生から聞いたところでは、後耳介筋の筋線維は、
ほとんど頭の後ろの方まで伸びているそうです。
耳の後ろのところから緩め始めて、
続けて頭の後ろの方までを緩めていきます。