慢性筋肉疲労に関する考察

[触手療法研究会]福増一切照先生が考案して開発した触手療法について考えるブログです

21 親指の付け根のところを緩める -3

母指が手のひらの方へ引き付けられることについて

施術をしていく際には、指の筋肉は、長いものは肘関節や

肘関節の近くまであります。

親指の筋肉疲労が深くなっていると、手部、肘、肩くらいまで

影響を深く受けるので、そのあたりまでを

一連と捉えて見ていくとよいと思います。

 

「20 親指の付け根のところを緩める-2」の

第1指が手のひらへ引き付けられていることを表しました。

suzume1000.hatenablog.jp

 

母指内転筋は、第3指中手骨から親指のMP関節のところに着いて、

その間に張る筋肉ですから、母指内転筋が短縮すると

親指と人差し指の間を開いてみようとしても、あまり開かないです。

 

そうなると、例えば、親指と人差し指の先を合わせて丸が作れていたのに

それがへしゃげた様な形になってしまうとか、

今まで出来ていた細かで器用な手指の動きが上手くできず、

手指の動かしがたさを感じたりすると思います。

 

福増先生が、「親指の付け根」の辺りを緩めようとするときに

特に緩めるべきとして取り上げた箇所は、

下図①の個所の筋肉(母指内転筋のあるところ)と、②の個所です。

①,②の場所に見られる疲労した感じをとっていくために

この二か所を緩めていきます。

 

        [図21 第1指の筋肉の縮み]

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慢性筋肉疲労に関する考察 参考として図21

上[図21 第1指のあたりの筋肉の縮み]の、①,②のあたりにある筋肉は

解剖学の本を見るなどして、その場所を示してみますと、

①の部分は、母指内転筋が第3中手骨から第1指のMP関節のところに着いています。

②の部分は、第2中手骨の基部の背側面で、長橈側手根伸筋が着くところです。

また、第1骨間背側筋も付いています。

(第3中手骨基部の背側面には、短橈側手根伸筋が着きます)

 

この①,②の二か所には、関節部分を含んで、

筋肉の付着部のほかに靱帯もありますから、

それらを一緒に緩めていきます。

靱帯は特に力をかけなくても、

筋肉が緩んでいくと次いで緩んでいきますから

何か特別のことをしなくても、

筋肉が軟らかくなってくるときに、緩んで伸びてきます。

 

第1指にしても第2指にしても、複数の筋肉が付着して、

どの筋肉がどう関連し影響しあって緩んでくるか? までは分かりません。

けれども、そのあたりが緩むと、

それらの筋肉を個別に緩めているわけではありませんが、

それらの筋肉は一緒に緩んできて、

筋の緊張度がゆるくなってくることを感じ取ることが出来ると思います。