20 親指の付け根のところを緩める -2
「19 親指の付け根のところを緩める」で、母指内転筋が縮んでいることを書きました。
「20 親指の付け根のところを緩める-2」では、患者さんの疲れている手部のどこを見るか?です。
また、疲れて短縮している筋肉を緩ませるためには、どうするか?は、別の頁で扱います。
疲労した手部は、どんな風なのか?という見方が必要になってくると思いますので、
慢性に筋肉疲労をした手部の形の特徴を見ます。
慢性に筋肉疲労をした手の形の特徴
親指と人差し指に筋肉疲労があった場合、
しばしば、その疲労は上の方へ行きます。
肩を通り上へ行って、顎関節周囲の筋肉の疲労が深くなってしまうと、
頭部の筋肉や咀嚼筋などが硬直してしまったりもするので、
肩から頭の方にかけてのコリを訴えられると、
手部の疲労がないかを見ます。
このときに、特に親指と人差し指を見ます。
この部分が手早く緩むようになれば効率がよいと思うのですが、難しく、
多く見かける手部の疲労した手の形を、図で説明します。
患者さんの手部の疲労を取りたいときには、
福増先生が「手は親指の付け根のところを緩めるとよく緩む」と言われたので、
そこのところをしたいのですが、
福増先生が言われる「親指の付け根」はどこなのか?というのは、
ざっくりと捉えていましたので、はっきりしません。
親指に母指内転筋が付くところを緩めると、
肩のあたりまでが緩んだこともあったので、ここかな?
と、今は想像しています。
そう思って、その部分から緩めようとしてもなかなか緩みません。
実際に施術していくときは、その部分を含む親指の中手骨のあたりを
ぜんぶ緩めることになります。
疲れている手部を見ます。
まず、第1指と第2指で多く見られる、筋肉が疲労した手の形を見てみます。
第1指を手のひらへ引き付けています。
第2指はMP関節で屈曲した形になって、
指全体が伸びにくいと見えます。
第1指と第2指の筋肉疲労が深いと、親指と人差し指の二本で、
丸を作ろうとやってみても、うまく作れないようです。
[図19-1疲労した手の形]で示したのは、
①は、正常な形として描いてあります。
②は、第1指が手のひらの方へ引き付けられています。
③の図は、手関節を尺屈させて、また、手関節を屈曲もさせて示しています。
上の[図19-1]と、下の[図19-2]は同じ内容を示した図です。
分かりにくいかと思い、別の角度から見たものです。
表現の違いがあるように見えますが、同じ内容を説明しようとした図です。
[図19-2疲労した手の形]
[図19-2疲労した手の形]では、[図19-1疲労した手の形]と同じところを見ますが、
もう一度、説明を繰り返します
①は、正常な形として示してあります。
②は、手関節を尺屈させています。
③は、第1指が手のひらの方へ引き付けられています。
また、手関節を屈曲させて示しています。
④は、第2指を伸ばしたようにして、第1指に近づいた形を表しています。
疲労が深い手部を見ると、こんなような形になっていることが多いと思います。