慢性筋肉疲労に関する考察

[触手療法研究会]福増一切照先生が考案して開発した触手療法について考えるブログです

10 凝りのために膝痛を訴える場合 -2-

足部の筋肉疲労が非常に強いと足首が捻じれることが多いようです。福増先生は、「足首がだいたい捻じれます」と、よく言われていました。「だいたい」とは、先生が目で見て、だいたいの人にそうなっているのを見たという意味です。

この「捻じれ」というのは、足部を見て、内くるぶし(脛骨の内果)が少し前に行き、外くるぶし(腓骨の外果)が少し後ろに行くようになっているのを見かけると思います。

すると、足首のところで脛骨と腓骨が捻じれているような形になります。

立ち姿勢で、足底が床に着地している足部の内側を横から見てみます。

足部を、内側横から見た内くるぶしの位置は、足が床面に着いているところから、内くるぶしまでの間の距離は短く、目で見て低い位置にある、というふうに見て取れると思います。

このようになっている足部は、足の甲のところが縮んでいると思います。先ず診るのは、足の甲にある筋肉で、短母趾伸筋、短趾伸筋が短縮して、足の甲が縮んでいる形になっていると思います。

足の甲の縮みと、足底のところが縮んでいて、そして母趾が硬直したみたいに硬くなっている、足部がこれらの様になっていると足首のところが捻じれていると思います。

福増先生によると、足部に筋肉の疲労がつのり「足首のところで脛骨と腓骨がずれて、ずれたまま固定したようになって、膝関節がずれるんです」といわれ、こうなっていることが原因のことが多いそうです。

(もちろん他にも原因があり、上からの影響のこともある様です。

それは、股関節のほうから膝関節をこえて付いている筋肉が引っ張って、膝関節がずれていることもあるというものです。

また膝関節のところ自身の筋肉疲労で歪んでいるものもあります。)

話だけ進みましたが、ここで取り上げるのは、足部に慢性筋肉疲労があり、足首のところで二本の骨(脛骨と腓骨)が捻じれて、膝関節に痛みが出るものについて考えています。

図2では、足の甲で、足の外側につく筋肉で、短母趾伸筋と短趾伸筋がどこからどこへ付くかをざっくりと示してあります。

短母趾伸筋:踵骨前部の背側面から、母趾の基節骨底に付きます。

短趾伸筋:踵骨前部の背面~外側面から、第2趾、第3趾、第4趾の中節骨と末節骨へ付きます。

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お年寄りに多いというのですが、先ず足の甲に縮みが起こって、足の指に縮みが起こって足底が地面に上手く着かないと、自分の体重を支えることがうまくいきません。

人は、日常の生活の中で身体を動かして無意識に重心を取っていますが、足底がうまく地面に着いてないと歩くたびに重心がぐらつきます。

そのぐらつきがあると、動作のいちいちで姿勢の平衡を維持するために、姿勢を立て直そうとして、身体の色々なところの筋肉が連動して、身体のあちこちの筋肉に力が入ってしまうのですから、筋肉は疲れます。

ここでは、足底が地面にうまく着くようになれば良い、と思っています。