17 大腿部内側の筋肉が慢性筋肉疲労で短縮している場合
前回の『凝りのために膝痛を訴える場合-3-』は、大腿二頭筋が疲労して短縮することを見ました。
今回は、半腱様筋と半膜様筋について見ます。
この二つの筋肉は、大腿二頭筋とほぼ同じところの、坐骨に付いています。
大腿二頭筋を含めて三つの筋肉を見ると、三つとも坐骨結節から起こります。
図12半腱様筋と半膜様筋
半腱様筋(坐骨結節に付く。半膜様筋に重なるように付いて、浅部にあります)は、
大腿二頭筋長頭と共同の腱として坐骨結節から起こり、脛骨内側面に付きます。
半膜様筋(坐骨結節に付く。半腱様筋に重なるように付いて、深部にあります)は、
半膜様筋の深部にあって、坐骨結節から起こり、
脛骨の膝関節近くの、近位後側に着きます。
この筋肉は、坐骨結節から起こって、強力で幅が広くて扁平な形をしています。
大腿二頭筋(頭長は坐骨結節に付いて、半腱様筋と共同腱で起こります。短頭は大腿骨の遠位から起こって、長頭と癒合します)は、
坐骨結節と大腿骨の遠位のところから起こって、腓骨頭に着きます。
ハムストリングスの三つの筋肉(上記の三筋の、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)を見ます。
これらの筋肉が、疲労して短縮したときの想像図が、下図13です。
図13半腱様筋と半膜様筋と大腿二頭筋
これら三つの筋肉は、坐骨結節と大腿骨に付き、腓骨頭に着きます。
また半腱様筋と半膜様筋は、膝関節に近いところで、脛骨の後ろ側の内側に着きます。
これらの筋肉が骨などに付着する部分は、
それぞれが他の腱や筋肉の付着部分にもなっていることが多いです。
筋肉は、骨を介して働くのですから、筋肉や腱の付着部分は、
その部分から、また別の筋肉や腱が直につながっている箇所と考えて、
筋肉疲労しやすいと思う箇所を診ていきます。