14 脛骨の内側面と前縁のところを緩める
下腿部の筋肉疲労について
過労現象がある筋肉の硬さを取るときに、ふくらはぎの筋肉を圧迫しても、筋肉が弛緩してくるように誘導することは難しいように思います。
触手療法で行う技術に、『脛骨の骨膜を刺激するとふくらはぎが緩む』という内容があります。
これは、福増先生が触手療法を行うなか、経験から得たことで、理由はさておき、「脛骨の骨膜のところを刺激してから、ふくらはぎを見ると、なぜか、もう、ふくらはぎの筋肉は緩んでいるのです」と言われていました。
ふくらはぎが緩んでくる場所は、脛骨の内側面と前縁のところです。
図8、脛骨の内側面と前縁
図8では、脛骨の内側面と前縁を見ます。
脛骨の内側面(平らなところ)と、前縁(稜線になっているところ)を緩めていくと、ふくらはぎの筋肉が緩んでくるのです。
ふくらはぎの筋肉の筋膜は、前方では骨膜に連なって、骨を取り巻いています。
図9は、下腿の筋膜と骨膜のことが書いてあります。
脛骨の骨膜は、下腿の筋肉を包む筋膜に連なることが、筋膜をたどっていくと分かります。
ふくらはぎの筋肉は、脛骨の内側面のところと、前縁のところを緩めると緩んできます。
この部位を緩めるときは、ほかの部位の筋肉を緩めるときと同じように、軟らかい触れ方をします。
この部位は、触れると痛いことが多いです。
痛みがあるかどうかを尋ねてみて、痛いようなら、痛みのでないような触り方に変えることは必要と考えます。