16 凝りのために膝痛を訴える場合
膝のあたりの痛みについて
一言で「膝が痛い」といっても、膝の痛みは色々なところに出ます。
痛みのでる箇所は、膝の内側、外側、膝のすぐ下、全体という人もいれば、分からないという人もいます。
ここでいう膝の痛みは、膝に関するあたりに筋肉疲労があって、それが慢性的になったものと想定して話を進めます。
(想定)膝関節の外側のあたりに痛みがでたとします。
ここでは、膝関節に痛みが出たのは、膝関節に原因があるのではなく、別の箇所に原因があって、膝関節の外側のあたりに痛みがあるとします。
ここでいう原因かと思う事柄を見付けるために、膝のあたりより下(遠位)に絞ります。
足部や、足部に近いところに原因となる事柄が多いと聞きますので、膝に痛みが出ることについて、膝より下を見てみるのです。
例えば、
- 昔に、足首を捻挫したことがあるとか。
- 昔に、足趾を突き指したことがあるとか。
- 下肢を酷使したことがあるかなど。(長期間の労働などで)
- 上に書いた以外で、膝より下のどこかを痛めたことがないか、患者さんに聞いたり、探したりします。
- その他(膝関節以外の箇所の原因を考えるように書きましたが、膝関節のところ自体に、原因がある場合もあります。例えば、随分と以前のことでも、膝関節のあたりを、強く打ちつけたことがあったり、傷を負ったりなどしても、その部分に筋肉の引き攣れとなって残って、膝関節のあたりの不調になっている場合がある聞きます。この場合は、その引き攣れたようになっているところを、なでるように触っていくと、リラックスしてきて緩んでいくこともあるようです。古くても、傷跡の付近というのは、傷はもうずうっと以前に治っているというのに、触るとなにか過敏な感じを訴えることが多いそうです。こういった箇所が原因になっている場合は、そこを触る必要があると考えます。でも、工夫をしないと、触らせてもらえないかもしれません。)
このような、誰にでもあるようなことが、原因していることがあると聞きました。
痛みが出ている箇所に、痛みの原因があるとは限らないことを説明したいのです。
ここで話がつながるように、ちょっと、都合の良い想定をしていきます。
それは、痛みが出る場所で、よく見られる例についてでもあります。
痛みが出ている箇所の想定は、外側の、膝関節のすぐ下の、腓骨頭のところに痛みがあるとします。
足関節の外側部分を捻挫したことがあると、その後に、腓骨頭のところに痛みが出ることが割合に多く見られるようです。
ここでは、痛みのでることの多い腓骨頭に大腿二頭筋が着くので、大腿二頭筋を見てみます。
図11大腿二頭筋について
大腿二頭筋が疲労して縮むことについての図を示しています。
O脚の人の下肢を見ると、大腿二頭筋が短縮していることが見られると思います。
(書き方がややこしいかもしれませんが、O脚の人は、大腿二頭筋が短縮していることが見られると書きましたが、大腿二頭筋が短縮するからO脚になるとは言っていません。)
図11-2で示した内反膝(O脚)は、下肢が膝のところで外方に凸となり、内方に凹面の弯曲になるものです。
側方に凸になるということは、下肢は膝を挟んで内側が縮んでいるということです。
腓骨頭のところに痛みが出ることについて、昔に足首の捻挫をしていると、下肢の外側を股関節のところまでコリが上がっていって、腓骨頭のところに痛みが出ることが多いと、福増先生から聞いています。
そして、膝のあたりに痛みが出るときに、腓骨頭のところにも痛みが出ることが多く、この痛みも取れるように、筋肉疲労を取っていくようにしていきます。